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御用菓子処 田町梅月

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2014年4月30日 (水)

紫雲

朝の雨に当たって、ちょっとメランコリーになったのでしょうか。
それとも、引佐、細江の花の色香に当てられたのでしょうか。
午後、我儘を言って、磐田市豊田町池田にある「熊野の長藤」を見に出かけました。

ここでは20年くらい前、毎年連休期間、臨時売店を出させていただいていました。
今ではすっかり整備されて、デッキが敷き詰められていますが、当時は地面に木材を敷いただけだったので、雨が降ろうものなら足元がぬかるみ、納品に苦労したものです。
能楽堂もまだなく、確か集会所のようなものが建っていました。

数年前に見に行った時は、観光客が増えたせいか、藤の房は随分と短くなり果て、地元に方も心配されていました。
その後、きっと手を施されたのでしょう。
さらに昔を知らぬ私にとっては、見事に復活したように見えます。

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藤棚に近づくだけで芳香が漂い、下に入るともう全身が香りに包まれます。

樹齢数百年から最も古いもので850年という驚くべきものもあります。
正しく熊野御前がこの地に落ち延びた時代のものです。

「いかにせむ 都の春も 惜しけれど なれし東の 花や散るらん」

老木は熊野御前の悲しみを知ってか、悶えるごとく絡みつき、天蓋のように張った枝からは、藤の長い房が紫雲のようにたなびいています。

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長いもので五尺くらいあったでしょうか。

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雨のせいで小寒い一日だったので、花見客は少なく、静かにゆっくりと紫雲の中を漂い歩くことができました。

邯鄲の夢かくあらん。

気がつくと辺りは薄暗くなっていたので、熊野御前の廟に手を合わせ、熊野の長藤を後にしました。

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「長藤に 熊野の涙か 雨雫」

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